「忘れてはならない10年前の悲劇」 – 男性看護師の職場環境の課題について

ごきげんさまです。日本男性看護師会発起人の坪田康佑(Twitter)(Threads)です。

去る8月7日に釧路赤十字病院が提訴されましたことがニュースになりました。

ニュース記事「釧路赤十字病院の36歳看護師男性自殺 職場のパワハラが原因として両親が損害賠償を求め病院を提訴

私たち日本男性看護師会は、10年前の釧路赤十字病院における新人男性看護師、村山譲さんの悲劇について、深い憂慮と哀悼の意を示します。

私たちが設立したばかりの10年前、坂本すが日本看護協会会長との最初の面談で取り上げた問題の中心であったのは、まさにこの事件でした。10年の歳月が流れ、時は過ぎ去っても、失われた村山さんの命は二度と戻ることはありません。

この事件に関する最高裁の判決は、労災認定をしないものであったにも関わらず、村山さんの遺書には医師からの「お前はオペ室のお荷物だ」など苦しい言葉や状況が綴られていました。「成長のない人間が給料をもらうわけにはいきません。本当に申し訳ありません。」という彼の最後の言葉は、多くの男性看護師とその家族に大きな衝撃と痛みをもたらしました。

私たち日本男性看護師会は、村山さんのような悲劇が二度と繰り返されないよう、男性看護師の働く環境の改善と職場でのメンタルヘルスのサポートを積極的に提言しています。

村山様のお母さまの村山百合子さんの言葉、「病院の考え方というか、医療に対する考え方をきちんと教えていただきたい」という願いを、私たちは深く受け止めます。私たち日本男性看護師会として、この問題に真摯に取り組み、全国の看護師に安心して働ける環境づくりに精進することを約束します。

パワハラ、過度なストレス、職場の孤立は、誰にでも起こり得る問題です。しかし、私たちの使命は、これらの問題を予防し、必要なサポートを提供することです。

この機会に、看護師の安全とメンタルヘルスの重要性に対する意識を高めるよう、医療機関、関連団体、そして全国民の皆様に強く訴えかけます。今後も看護師の権利と福祉を守るための活動を続けてまいります。

最後に、村山譲さんとそのご家族に心からの哀悼の意を表します。

また、8月10日まで、厚生労働省は、看護師の確保に関する基本指針に関してパブリックコメントを募集しています。この声明を読まれた方で、何か考えることがありましたら、是非ともその考えを厚生労働省に届けてください。

8月10日締切:厚生労働省「看護師等の確保を促進するための措置に関する基本的な指針案に関する御意見の募集について」 (nursemen.net)

坪田康佑

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