ごきげんさまです。日本男性看護師会発起人の坪田康佑こと、感護師つぼ（@cango_shi）です。
看護師という職業は、性別に関係なく誰もがその可能性を広げることができるフィールドです。特に男性看護師は、その新たな視点と能力で看護の世界に多大な貢献をしています。
5月12日、ナイチンゲールの誕生日であり、看護の日が近づいてきました。これは、アスターガーディアンズ世界看護賞の日が迫っていることを意味します。https://www.asterguardians.com/
2023年のアスターガーディアンズ・グローバル・ナーシング・アワードは、5月12日にロンドンで開催されます。この賞は、看護師の卓越性を称える最大の舞台であり、優勝者には人生を変える可能性のある賞金25万ドルが授与されます。
我々は、驚くべきことに202カ国から52,065件の登録を受け付け、トップ10のファイナリストを選びました。公開投票ラウンドの終了後、2023年の国際看護師の日に、どの看護師がこの輝かしい賞を手にするのかを発表します。その中には、男性看護師のファイナリストも含まれています。
今回は、男性看護師の活躍を知ることが、男性看護師の可能性を拡げると思いますので、ファイナリストにいる男性看護師をご紹介します。
Michael Joseph Dino マイケル・ジョセフ・ディノ
現在、フィリピン・ヴァレンズエラ市のOur Lady of Fatima Universityの研究開発およびイノベーションセンターのディレクターを務めるMichael Joseph Dino氏をご紹介します。研究者であり開発科学者でもある彼は、リーダーシップ、マネジメント、看護、ヒューマノイドロボット、そして教育・学習における技術の建設的な統合に関する数多くの特許と研究論文を、査読付きの学術誌に発表しています。
2012年、Dino氏は高齢者向けのテレヘルスプログラムを開始し、高齢者の健康リテラシーを向上させました。また彼の「授乳と母乳銀行（CRIB3）プロジェクト」は、乳児のケアと回復に大きく貢献しました。Sigma NursingのPhiGammaチャプターの会長として、彼は授乳を支援・推進・保護するためのグローバルな取り組みにつながる3段階のプロジェクトを展開しました。
COVID-19パンデミック期間中、彼のマルチメディアプロジェクト「#VaccineEquity」（国際看護協議会の支援を受けて）は、さまざまな地域と国々で展開されました。Dino氏は、2019年の「Gawad Vicente M. Santosリーダーシップ賞」やSigmaの「30th Nursing Research Congress 2019 Emerging Nurse Researcher Honoree」など、数々の賞と国際的な認知を受けています。彼はSigmaからこのような表彰を受けた最初のフィリピン人でもあります。さらに、彼はブラカン州政府から2019年度の「Gintong Kabataan（ゴールデンユース）賞」を授与されました。
看護師として、そして研究者としての彼の業績は、男性看護師がどのような貢献をすることができるのか、そしてその可能性がどれほど広がりを持つのかを示しています。彼のようなパイオニアの活動は、これからの看護の世界を牽引し、新たな可能性を切り開くことでしょう。
Wilson Fungameza Gwessa ウィルソン
たった5年の看護の経験で、Wilson Fungameza Gwessa氏は新生児死亡率を抑制するという特異な貢献により、その存在感を示しました。初期にはタンザニアのムヒンビリ国立病院・ムロガンジラの新生児集中治療室(NICU)で働き、多くの新生児が死亡していることを目の当たりにしました。これが彼に新生児死亡の原因について簡単な研究調査を行うきっかけを与え、研究結果からこれが特に未熟児の肺の未成熟による呼吸窮迫症候群(RDS)が原因であることが明らかになりました。当時、病院には呼吸支援機器(CPAPマシンや人工呼吸器)がなく、通常の酸素療法が代替として用いられていました。この状況を受けて、Wilson氏は改良型バブルCPAP装置を導入し、これにより呼吸問題からの新生児死亡率が14.1%から5.9%に減少しました。
現在、彼はムヒンビリ国立病院・ムロガンジラの教育、研究、コンサルティング部門で働き、さらに「Nursing Diagnosis for Academic and Clinical Practice」という本も著しています。この本はタンザニアで初めて看護について書かれた現地語の書籍です。
彼の活動は、新たな看護師が看護の世界にどのような影響を与えることができるか、そしてその可能性がいかに無限であるかを示しています。彼のような先駆者から学び、自分自身の看護の道を切り開くことで、これからの看護の世界がより良いものになることを願っています。